※本記事にはプロモーション(広告リンク)が含まれます。
寒くなると、食卓に鍋が並ぶ日が増えてきます。せっかくなら、鍋の日にワインを開けてみたい。
でも、すき焼きには赤?寄せ鍋には白?キムチ鍋には何を?と、いざ選ぶとなると迷ってしまうものです。
鍋は、スープの味と主役の具が鍋ごとに大きく違う料理です。しょうゆの甘辛いすき焼きと、唐辛子の効いたキムチ鍋とでは、合わせやすいワインもまったく変わります。
この記事では、鍋に合うワインの考え方をスープの味ごとに整理しました。すき焼き、寄せ鍋・水炊き、キムチ鍋、豆乳鍋、もつ鍋・ちゃんこの5つのタイプに分けて、楽天で手に入る5本と比較表も紹介します。
鍋に合うワインは「主役の具」と「スープの味」で決まる
メルシャンの研究者が学会誌に寄せた解説では、日常の食事であれば、どの素材でも調理法しだいで赤ワインにも白ワインにも合わせられると紹介されています。鍋も同じで、具材だけでなく「何で煮るか」によって合うワインが変わります。
キリンのワインコラムでは、鍋の多くは「メイン食材+野菜」の組み合わせだとして、まず主役の具からワインの色を選ぶ目安を挙げています。
- 牛肉・ラム肉が主役──赤ワイン
- 鶏肉・魚介が主役──白ワイン
- 豚肉・サーモンが主役──ロゼワイン
そのうえで、スープの味からワインの味わいを絞り込みます。具で色の見当をつけ、スープで「甘口か辛口か」「軽いか重いか」「泡にするか」を決めると考えると、整理しやすくなります。
料理とワインの色や重さをそろえる基本は、秋の味覚に合うワインの選び方で紹介しています。この記事では、鍋ならではの「スープの味」に絞って見ていきます。
スープの味で変わる|ワイン選びの4つのポイント
英国のワイン教育機関WSETは、ワインの感じ方を変える料理の要素として、甘み・うまみ・酸味・塩味・脂・唐辛子の辛さなどを挙げています。鍋に当てはめると、見ておきたいポイントは次の4つです。
① 甘辛い味(すき焼き)には、果実味の豊かなワイン
WSETによると、料理の甘さはワインの果実味を弱め、より辛く、苦く感じさせるとされます。そのため、甘い料理にはそれより甘いワインを合わせるのが基本です。
食事に合わせる辛口の赤なら、果実味がたっぷりで、ほのかな甘さを感じるタイプが向いています。エノテカの鍋特集でも、すき焼きには辛口の中に甘さを感じる、果実味の豊かななめらかな赤がすすめられています。
② だしのうまみ(寄せ鍋・水炊き)には、渋みの穏やかなワイン
英国のワイン誌デキャンターに載った、WSETの講座内容をもとにした記事では、うまみはワインの甘みや果実味、ふくらみを弱めるとされています。うまみが中心の料理には、渋みと酸が穏やかで、果実味のある若いワインが合わせやすいそうです。
一方で、塩味はワインの酸や苦みをやわらげ、ワインを甘く感じさせる働きがあるとされます(WSET)。同じ記事では、塩味はほとんどのワインとよく合うとも書かれています。だしに塩やしょうゆで味をつけた鍋は、ワインと合わせやすい料理です。
気をつけたいのは魚介です。魚介とワインを合わせると、生臭さを感じることがあります。メルシャンの研究者らは2009年に、その原因の1つがワインに含まれるごく微量の鉄であることを突き止めました。赤ワインの渋みが原因と思われがちですが、渋みのほとんどない白ワインでも起こることがあるそうです。
③ 唐辛子の辛さ(キムチ鍋)には、やや甘口のワイン
WSETによると、唐辛子の辛さはワインの果実味やコク、甘さを弱め、アルコールを強く感じさせます。辛さをやわらげたいなら、やや甘口か甘口のワインが向くとされます。ワインに残る糖分が、辛さを包んでくれるためです。
デキャンターの記事でも、辛い料理には渋みの少ない赤か、甘口の白がすすめられています。渋みの強い赤やアルコール度数の高いワインは、辛さと合わさると刺激が強くなりやすいので、避けたほうが無難です。
④ 脂とコク(もつ鍋・ちゃんこ・豆乳鍋)には、酸と泡か、同じコク
脂の多い料理は口の中を覆うため、酸のしっかりしたワインを合わせると、重さがすっと切れるとされています(WSET)。鍋に合うワインの特集では、キリンがスパークリングを、エノテカが辛口のスパークリングを、迷ったときの1本に挙げています。どちらも、泡が口の中をさっぱりさせてくれることを理由にしています。
反対に、豆乳鍋のようなクリーミーなスープには、シャルドネのようなクリーミーな白を合わせて、まろやかさを重ねる方法もあります(エノテカ)。

鍋のタイプ別|合うワインの選び方
すき焼き|果実味が豊かで、なめらかな赤
主役は牛肉で、割り下は甘辛いしょうゆ味。具から考えてもスープから考えても、赤ワインが候補になります。選ぶときは、渋みが強いものより、果実味がたっぷりあって口当たりのなめらかなものを。割り下の甘さに負けない果実味があるかどうかが目安です。
寄せ鍋・水炊き|樽を使わない、穏やかな白
鶏肉や魚が主役で、だしのうまみを味わう鍋です。具の目安どおり、白ワインが合わせやすいタイプです。エノテカの郷土鍋の特集では、水炊きに樽を使わない果実味のある白が挙げられています。酸味はポン酢に任せて、ワインは穏やかでまるみのあるものを選ぶ、という考え方も紹介されています。
しょうゆや白だしで仕立てる寄せ鍋なら、日本の甲州も候補です。やまなし観光推進機構のコラムでは、甲州ワインは鉄分などのミネラルが少ないため、和食と合わせやすいと紹介されています。
薬味で選ぶ方法もあります。キリンのコラムによると、ゆず、ポン酢、白ねぎ、みょうが、ゆずこしょうには白、山椒や和がらしにはロゼや赤が合うとされています。
キムチ鍋|やや甘口の白か、ロゼ
唐辛子の辛さに、キムチの酸味と豚肉の脂が重なる鍋です。エノテカの鍋特集では、思い切ってやや甘口の白を合わせると、果実味が唐辛子の刺激をやわらげ、辛さに隠れていたうまみを引き出すとしています。キリンのコラムでは、キムチ鍋にロゼや軽やかな赤も挙げられています。
豆乳鍋|クリーミーなシャルドネ
豆乳のまろやかなスープには、シャルドネのようにクリーミーな白がよく合うとされています。ホワイトシチューに白ワインを合わせるときと同じような考え方で、スープのまろやかさにワインのコクを重ねるイメージです。
もつ鍋・ちゃんこ|迷ったら辛口のスパークリング
もつ鍋は、もつの脂とにんにく、みそやしょうゆのコクが強い鍋です。キリンは白湯のもつ鍋にふくよかな白やロゼを、エノテカは軽めの赤やスパイシーな赤を挙げていて、すすめ方が分かれます。塩味や和風だしのちゃんこには、どちらも白を挙げています。
迷ったら、辛口のスパークリングが手堅い選択です。酸と泡が脂の重さを流し、口の中をさっぱりさせてくれます。キリンとエノテカの両方が、どんな鍋にも合わせやすいワインとして挙げています。
比較表|鍋のタイプ別に選んだ5本
ここまでの考え方をもとに、鍋のタイプごとに1本ずつ選びました。どれも楽天で在庫のあるものです(価格は執筆時点の目安です)。
| 鍋 | 合うワインのタイプ | 紹介する1本 | 味の傾向 | 価格帯 | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|---|---|
| すき焼き | 果実味の豊かな赤 | カイケン・エステート・マルベック | 濃厚な果実味の辛口 | 2,000円台 | 甘辛い鍋に赤を合わせたい人 |
| 寄せ鍋・水炊き | 樽を使わない辛口の白 | グレイス甲州 | 柑橘の香りと心地よい酸 | 3,000円台 | だしの味を大切にしたい人 |
| キムチ鍋 | やや甘口の白 | ヴィンケル リースリング カビネット | 甘みと酸のバランス、アルコール低め | 3,000円台 | 辛い鍋とワインを合わせてみたい人 |
| 豆乳鍋 | クリーミーな白 | ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ | トロピカルフルーツやバニラのような香りとコク | 2,000円台 | まろやかな鍋をゆっくり楽しみたい人 |
| もつ鍋・ちゃんこ(迷ったら) | 辛口のスパークリング | フレシネ コルドン・ネグロ ブリュット | りんごや柑橘の風味、すっきりした辛口 | 1,000円台 | 鍋の種類を決めずに1本用意したい人 |
鍋に合わせたいワイン5本
① カイケン・エステート・マルベック|すき焼きに
チリの生産者モンテスが、アルゼンチンのメンドーサで手がけるワイナリーの人気シリーズです。アルゼンチンを代表するぶどう品種、マルベックで造る濃厚な赤ワインで、エノテカの鍋特集でもすき焼きに合わせる1本として紹介されています。
果実味がたっぷりあるので、割り下の甘さや牛肉の脂と合わせやすいタイプです。楽天のエノテカ公式直営店で、2024年のものが手に入ります。

② グレイス甲州|寄せ鍋・水炊きに
山梨県勝沼町で1923年に創業した、中央葡萄酒(グレイスワイン)の甲州です。標高400m以上の畑のぶどうを使い、ステンレスタンクで発酵・貯蔵しています。樽を使わない、すっきりとした辛口の白です。
造り手の説明では、甘夏やオレンジのような柑橘、りんごや洋なしの香りがあり、後半にほのかな苦みを伴ううまみと酸が続くとされています。だしやポン酢で食べる鍋に合わせたい1本です。

③ シュロス・フォルラーツ ヴィンケル リースリング カビネット|キムチ鍋に
ドイツの銘醸地ラインガウを代表するリースリングの名門、シュロス・フォルラーツが造るやや甘口の白です。心地よい酸と甘みのバランスがよく、アルコール度数は低めに仕上がっています。エノテカの鍋特集で、キムチ鍋に合わせる1本として挙げられているワインです。
甘口と聞くと食事に合うか心配になるかもしれません。ですが、唐辛子の辛さをやわらげる役目を考えると、辛い鍋にこそ試したいタイプです。

④ ケンダル・ジャクソン ヴィントナーズ・リザーヴ・シャルドネ|豆乳鍋に
1982年にカリフォルニアで設立されたケンダル・ジャクソンの、代表的なシャルドネです。販売店の説明では、桃やりんご、洋なしに加えて、マンゴーやパイナップルのようなトロピカルフルーツの香りがあり、バニラやバタートースト、はちみつを思わせる余韻が続くとされています。
コクのある味わいなので、豆乳鍋のクリーミーなスープと合わせやすいタイプです。鶏肉や豚肉、きのこを入れた豆乳鍋に用意しておきたい1本です。

⑤ フレシネ コルドン・ネグロ ブリュット|もつ鍋・ちゃんこ、迷ったときに
スペイン・カタルーニャのスパークリングワイン、カヴァです。パレリャーダ、マカベオ、チャレッロの3品種を使い、瓶の中で2度目の発酵をさせる伝統的な製法で造られています。造り手は、りんごや熟した洋なし、柑橘の風味がある、すっきりとバランスのよい辛口だと説明しています。
1,000円台で買いやすく、どの鍋にも合わせやすいので、鍋の日に1本置いておくと便利です。造り手のすすめる温度は6〜8℃なので、冷蔵庫でよく冷やしてから開けてください。泡のワインの開け方は、クリスマスのスパークリングワインの選び方で紹介しています。

よくある質問
Q1. 甘口のワインは、食事の邪魔になりませんか?
この記事で紹介したリースリングは「やや甘口」で、酸もしっかりあるタイプです。WSETは、唐辛子の辛さにはやや甘口か甘口のワインが向くとしています。キムチ鍋のような辛い鍋では、ワインの甘さがむしろ助けになる場面があります。
Q2. 1本を飲みきれなかったら、どうすればいいですか?
栓をしっかり閉めて、ボトルを立てたまま冷蔵庫に入れておけば、翌日以降も楽しめます。おいしく飲める目安は、スパークリングなら当日〜翌日、軽めの白なら翌日〜2日、赤なら3〜5日ほどです。くわしくは開けたワインはいつまで飲める?にまとめています。
Q3. 鍋の日に間に合わせるには、いつごろ注文すればいいですか?
発送までの日数はショップや時期によって違うので、商品ページに書かれた発送の目安を確認してから注文してください。白やスパークリングは冷やして飲むため、前日までに届くようにして冷蔵庫に入れておくと、当日あわてずに済みます。なお、20歳未満の方はお酒を購入できません。
まとめ|まず1本なら、辛口のスパークリング
鍋に合うワインは、主役の具で色の見当をつけ、スープの味でタイプを決めると選びやすくなります。甘辛いすき焼きには果実味の豊かな赤、だしの寄せ鍋・水炊きには樽を使わない白、辛いキムチ鍋にはやや甘口の白、豆乳鍋にはクリーミーなシャルドネが目安です。
どの鍋にするか決まっていないなら、まず1本は辛口のスパークリングから試してみてください。泡と酸が口の中をさっぱりさせてくれるので、どの鍋にも合わせやすい1本です。この記事では、1,000円台で手に入るフレシネ コルドン・ネグロ ブリュットを紹介しました。
湯気の立つ鍋を囲みながら、グラスを傾ける冬の夜。お酒は適量で。今夜の鍋が、いまよりちょっと豊かな時間になりますように。


コメント