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11月11日は「チーズの日」です。この日に合わせて、家でチーズとワインを並べてみたいと考える方もいるのではないでしょうか。
ところが、いざ選ぼうとすると「カマンベールには赤と白のどちら?」「ブルーチーズに合うワインは?」と迷いがちです。チーズもワインも種類が多いぶん、組み合わせの答えが見えにくいからです。
実は、チーズとワインの合わせ方には、覚えておくと迷いにくくなる基本が4つあります。この記事では、その考え方と、スーパーやネットで手に入りやすいチーズ7種に合うワインの早見表、家で盛り合わせを作るときのコツ、チーズの日に開けたい3本をまとめます。
11月11日が「チーズの日」になった理由
チーズの日は、チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会が1992年に定めた記念日です。
由来は、およそ1300年前の飛鳥時代の記録にあります。チーズフェスタの公式サイトによると、「右官史記」という記録に、文武天皇4年(700年)の10月に天皇が使いを送って「蘇(そ)」を作らせたという記述があり、この蘇が現在のチーズの元祖と言われています。旧暦の10月は、いまの暦では11月にあたります。
そこで、多くの人にチーズに親しんでもらうため、覚えやすい11月11日が「チーズの日」になりました。この日にちなんで、チーズファンに向けた「チーズフェスタ」というイベントも開かれてきました。
チーズとワインの合わせ方|覚えておきたい4つの基本
チーズとワインの合わせ方に厳密な決まりはなく、最後は好みで選んでかまいません。それでも、ワイン専門店やチーズの生産者団体が挙げている「定番の考え方」があります。
① 重さと熟成度をそろえる
いちばんの基本は、チーズとワインの「強さ」をそろえることです。やさしい味のチーズには軽やかなワイン、熟成して味の濃くなったチーズには力のあるワインを合わせます。
ワイン専門店のエノテカは、熟成したチーズには熟成した重厚な赤、若くフレッシュなチーズには若々しい白を勧めています。ワイン情報サイト「ワイン・フォリー」も、1年以上熟成させたチェダーやゴーダ、パルミジャーノのようなチーズには、渋みのしっかりした赤が合うとしています。熟成したチーズの脂肪分が、赤ワインの渋みをやわらげるためです。
② 同じ産地どうしを合わせる
同じ土地で生まれたチーズとワインは、相性がよいとされます。エノテカは、チーズもワインと同じ農作物で、その土地の個性が表れる食材だと説明しています。
よく知られているのが、フランス・ロワール地方の山羊乳のチーズ「クロタン・ド・シャヴィニョル」と、同じ地域で造られる白ワイン「サンセール」の組み合わせです。イタリアでは、パルミジャーノ・レッジャーノの生産者団体が、熟成12か月以上のものに合うワインとして、地元エミリア地方の赤の微発泡「ランブルスコ」を挙げています。
③ 塩気と香りの強いチーズには甘口
青カビチーズは、ほかのチーズに比べて塩分が高く、香りが強いのが特徴です。こうしたチーズには甘口ワインを合わせる組み合わせが知られていて、フランスのロックフォールにはボルドーの甘口白ワイン「ソーテルヌ」、イギリスのスティルトンには「ポートワイン」が定番です。
エノテカは、これを塩味と甘みを合わせる「甘じょっぱい」組み合わせにたとえています。ワインの甘みがチーズの塩気や刺激をやわらげ、チーズをよりクリーミーに感じさせるとされます。
④ クリーミーなチーズには泡
カマンベールやブリーのように柔らかくクリーミーなチーズや、モッツァレラのようなフレッシュチーズには、スパークリングワインが合わせやすいとされます。泡と酸味が、口に残ったチーズのコクをさっぱりと流してくれるためです。
泡の種類や選び方はクリスマスのスパークリングワインの選び方で紹介しています。チーズに合わせる泡を選ぶときの参考にしてください。チーズと一緒に秋の料理も並べる日は、秋の味覚に合うワインの選び方もあわせてどうぞ。
手に入りやすいチーズ7種と合うワイン
ここからは、スーパーやネットで見かけることの多い7種のチーズについて、合うとされるワインのタイプを紹介します。やわらかく穏やかなものから、熟成して個性の強いものへの順に並べています。
モッツァレラ(フレッシュタイプ)
熟成させずに作りたての風味を楽しむチーズで、水分が多くやわらかく、ミルクの香りとさわやかな酸味があります。冷やしたまま食べるのが基本です。
合わせるなら、さわやかで軽めの白ワインか辛口の泡です。トマトとバジルを合わせたカプレーゼにするなら、ソーヴィニヨン・ブランもよく合うとされています。
カマンベール・ブリー(白カビタイプ)
表面を白カビがおおうチーズで、熟成が進むにつれて中がクリーム色になり、とろりとしてきます。白カビタイプは、外側から内側に向かって熟成していくのも特徴です。
合わせやすいのは、渋みのやさしいピノ・ノワールや、樽で熟成させたコクのあるシャルドネ、辛口の泡です。エノテカは、繊細で渋みのやさしいピノ・ノワールならチーズの風味を覆い隠さないとしています。無殺菌乳で作る伝統的なカマンベール・ド・ノルマンディーなどには、厚みのある赤を合わせる考え方もあります。
シェーヴル(山羊乳のチーズ)
山羊の乳で作るチーズで、真っ白な色合いと、山羊乳ならではの風味が特徴です。小型で、乾燥させながら熟成させたものが多く見られます。
定番はロワール地方のソーヴィニヨン・ブランです。先に紹介した「同じ産地どうし」の代表例で、エノテカは、若いシャヴィニョルには白のサンセール、熟成したものには赤のサンセール(ピノ・ノワール)という合わせ方も紹介しています。
ゴーダ(セミハードタイプ)
セミハードタイプの代表で、水分を抜いてからゆっくり熟成させるため、食べ頃が長く続くチーズです。熟成期間によって味わいが変わり、500日ほど熟成させたものも売られています。
若いものにはコクのある白、熟成したものには力のある赤と、熟成度に合わせて選ぶのが基本です。ワイン・フォリーは「迷ったら、硬くてナッツのような風味のチーズを」とすすめ、その例にゴーダを挙げています。
チェダー(ハードタイプ)
長く熟成させて作る、硬いタイプのチーズです。チェダーという名前は、産地の村の名前に由来します。
熟成したチェダーには、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを主体にした果実味の豊かな赤が合うとされます。エノテカは、ハードタイプに合う白として、温暖な産地で樽熟成させたシャルドネも挙げています。
パルミジャーノ・レッジャーノ(ハードタイプ)
イタリアのパルマ、レッジョ・エミリア、モデナなど、決められた地域だけで作られるハードタイプです。生産者団体は、熟成の長さによって合うワインが変わると紹介しています。
- 熟成12か月以上──スパークリングワインや軽めの白、赤の微発泡のランブルスコ
- 熟成24か月以上──しっかりした造りのランブルスコや、ピノ・ノワール
- 熟成40か月以上──カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなど、力のある赤
同じチーズでも熟成月数の違うものを買って、ワインとの相性を比べてみるのも楽しい方法です。
ゴルゴンゾーラ(青カビタイプ)
内部に青カビを植えつけて熟成させるイタリアのチーズで、フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンと並んで「世界3大ブルーチーズ」と呼ばれます。
ゴルゴンゾーラの生産者団体は、甘口タイプの「ドルチェ」には遅摘みのぶどうで造る甘口ワインを、辛口タイプの「ピカンテ」には熟成させた骨格のある赤を勧めています。
早見表|チーズ7種と合うワイン
| チーズ | 特徴 | 合うワイン | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|
| モッツァレラ(フレッシュ) | ミルクの香りとさわやかな酸味。冷やして食べる | さわやかな白、辛口の泡。カプレーゼならソーヴィニヨン・ブラン | 白ワインや泡が好きな人 |
| カマンベール・ブリー(白カビ) | 熟成するととろりとしてくる、クリーミーな味わい | 渋みのやさしいピノ・ノワール、樽熟成のシャルドネ、辛口の泡 | はじめてチーズとワインを合わせる人 |
| シェーヴル(山羊乳) | 山羊乳ならではの風味。小型で乾燥熟成したものが多い | ロワール地方のソーヴィニヨン・ブラン(サンセールなど) | さわやかな辛口の白が好きな人 |
| ゴーダ(セミハード) | ゆっくり熟成し、食べ頃が長く続く | 若いものはコクのある白、熟成したものは力のある赤 | 迷ったときの1品を選びたい人 |
| チェダー(ハード) | 長く熟成させる硬いタイプ | 果実味の豊かな赤(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ主体)、樽熟成のシャルドネ | しっかりした赤が好きな人 |
| パルミジャーノ・レッジャーノ(ハード) | 熟成の長さで合うワインが変わる | 12か月以上は泡やランブルスコ、24か月以上はピノ・ノワール、40か月以上は力のある赤 | 熟成の違いを飲み比べたい人 |
| ゴルゴンゾーラ(青カビ) | 塩気と香りが強い。甘口のドルチェと辛口のピカンテがある | ドルチェは甘口ワイン、ピカンテは熟成した骨格のある赤 | 甘じょっぱい組み合わせを試したい人 |

チーズ盛り合わせを家で作るときの小さなコツ
チーズは、出し方と切り方を少し工夫するだけで、ワインと合わせたときの楽しみが広がります。家で盛り合わせを作るときに覚えておきたいコツをまとめます。
- タイプの違うチーズを選ぶ──白カビ、セミハード、ハード、青カビのように、柔らかさや風味、色の違うものを組み合わせると、食べ比べがしやすくなります
- 食べる20〜30分前に冷蔵庫から出す──明治は、フレッシュタイプ以外のチーズはこうするとおいしく食べられるとしています。モッツァレラなどのフレッシュタイプは、冷やしたまま出します
- 円形のチーズは中心から放射状に切る──白カビタイプのように外側と内側で熟成の進み方が違うチーズは、おいしさが均等になるように、カマンベールなら中心から扇形に切り分けます
- 硬いチーズは先に切っておく──ハードタイプはあらかじめ切り分け、柔らかいチーズは切りやすいように皿の端に置きます
- 穏やかなものから個性の強いものへ並べる──柔らかくクリーミーなものから始めて、硬いもの、風味の強いものへ進み、青カビは最後にします
- ナイフはチーズごとに分ける──青カビの風味がほかのチーズに移らないようにするためです
並べる順番は、そのまま食べる順番の目安にもなります。グラスのワインを少しずつ変えながら、穏やかなチーズから順に合わせてみてください。
チーズの日に開けたいワイン3本とチーズのセット
ここまでの考え方をもとに、チーズに合わせやすいワイン3本と、食べ比べに使いやすいチーズのセットを選びました。どれも楽天で手に入るものです(価格は執筆時点の目安です)。
| 商品 | タイプ・目安価格 | 合わせたいチーズ | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|
| ジョセフ・ドルーアン ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2023 | 赤・渋みやさしめ/約3,289円 | カマンベール・ブリー、熟成24か月以上のパルミジャーノ | まず1本で幅広く合わせたい人 |
| フォルニエ サンセール ブラン レ・ベル・ヴィーニュ 2023 | 白・辛口/約2,730円 | シェーヴル、モッツァレラ | 「同じ産地どうし」を試したい人 |
| メディチ・エルメーテ コンチェルト ランブルスコ・レッジャーノ・セッコ 2025 | 赤の微発泡・辛口/約1,859円 | パルミジャーノ・レッジャーノなど熟成したチーズ | 泡も赤も楽しみたい人 |
| チーズ4種セット(ワインとチーズの専門店フィアーノ) | チーズ4種/約3,600円 | ブリー、パルミジャーノ、ゴルゴンゾーラ、ゴーダ | 盛り合わせを手軽にそろえたい人 |
① ジョセフ・ドルーアン ブルゴーニュ ピノ・ノワール|白カビチーズに合わせたい1本
1880年から続くブルゴーニュの造り手、ジョセフ・ドルーアンのピノ・ノワールです。生産者は2023年について、ラズベリーや赤すぐり、野いちごの香りと、軽やかな渋みを持つ、みずみずしい1本と紹介しています。
白カビチーズには、チーズの風味を覆い隠さない渋みのやさしいピノ・ノワールが候補になります。パルミジャーノの生産者団体も、熟成24か月以上のものにピノ・ノワールを挙げています。生産者がすすめる飲み頃の温度は12〜13℃と、室温より少し低めです。

② フォルニエ サンセール ブラン レ・ベル・ヴィーニュ|シェーヴルと「同じ産地どうし」で
ロワール地方サンセールの造り手フォルニエによる、ソーヴィニヨン・ブラン100%の白ワインです。生産者は、石灰質の小石「カイヨット」、火打石、白い土という、サンセールの3つの土壌の区画をブレンドしたワインだと説明しています。
山羊乳のチーズと合わせれば、「同じ産地どうし」の組み合わせをそのまま試せます。シェーヴルのほかに、カプレーゼにしたモッツァレラにも合わせやすいタイプです。販売店の説明では、レモンやカシスの蕾を思わせる香りの辛口です。

③ メディチ・エルメーテ コンチェルト ランブルスコ・レッジャーノ・セッコ|パルミジャーノと同郷の泡
イタリアのレッジョ・エミリアにある自社畑のぶどう、ランブルスコ・サラミーノで造る、辛口の赤の微発泡です。生産者は、イチゴやラズベリー、さくらんぼなど赤い果実の香りと、酸味と渋みのバランスを特徴に挙げています。アルコール度数は11.5%と軽やかです。
レッジョ・エミリアは、パルミジャーノ・レッジャーノの産地のひとつです。同じ土地のチーズとワインを合わせる楽しみ方ができ、生産者も合う料理に熟成させたチーズを挙げています。飲み頃の温度は8〜9℃とされているので、しっかり冷やしてから開けてください。

④ チーズ4種セット|ブリー・パルミジャーノ・ゴルゴンゾーラ・ゴーダの食べ比べに
ワインとチーズの専門店フィアーノの、4種類の詰め合わせです。内容は、ブリー110g(フランス・白カビ)、パルミジャーノ・レッジャーノ90g(イタリア・ハード)、ゴルゴンゾーラ・ピカンテ90g(イタリア・青カビ)、500日熟成のゴーダ90g(オランダ・セミハード)。タイプの違う4種がそろうので、盛り合わせをすぐに作れます。
ブリーにはピノ・ノワール、パルミジャーノにはランブルスコを合わせると、この記事の考え方をそのまま試せます。熟成の長いゴーダや辛口タイプのゴルゴンゾーラには、手元にある力のある赤を合わせてみてください。並べる順は、ブリー、ゴーダ、パルミジャーノ、ゴルゴンゾーラが目安です。

よくある質問
Q1. 赤ワインと白ワイン、チーズにはどちらが合わせやすいですか?
どちらにも合うチーズがあり、チーズのタイプによって変わります。フレッシュチーズやシェーヴルにはさわやかな白、熟成したハードタイプには力のある赤が合うとされます。1本でいろいろなチーズに合わせたいなら、白カビチーズや熟成したパルミジャーノに名前が挙がる渋みのやさしい赤(ピノ・ノワール)か、クリーミーなチーズや若めのパルミジャーノに合う辛口の泡が使いやすいタイプです。
Q2. 通販でチーズを頼むと、どのように届きますか?
チーズは冷蔵が必要な食品で、今回紹介したセットも、品質を保つためクール便で発送すると商品ページに書かれています。ナチュラルチーズは種類によって日持ちが違い、熟成期間の短いやわらかいチーズほど短めとされます。届いたらすぐに冷蔵庫へ入れ、賞味期限は商品ページとラベルで確認してください。11月11日に合わせるなら、お届け日を指定できるかも注文前に見ておくと安心です。
Q3. ワインやチーズが余ったら、どうすればいいですか?
ワインは栓をしっかり閉め、ボトルを立てて冷蔵庫に入れるのが基本です。赤ワインも、開けたあとは冷蔵庫で保存してかまいません。種類ごとの日持ちの目安は開けたワインはいつまで飲める?にまとめています。チーズは乾燥を避けるのが大切で、ラップで包むか容器に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがよいとされています。
まとめ|まず1本なら、渋みのやさしいピノ・ノワールから
チーズとワインの合わせ方は、①重さと熟成度をそろえる ②同じ産地どうしを合わせる ③塩気と香りの強いチーズには甘口 ④クリーミーなチーズには泡の4つを覚えておくと、売り場で迷いにくくなります。
まず1本試すなら、白カビチーズにも熟成したパルミジャーノにも名前が挙がる、ジョセフ・ドルーアンのブルゴーニュ ピノ・ノワールが合わせやすい選択です。カマンベールを1つ買ってきて、中心から扇形に切るところから始めてみてください。
チーズの日は、チーズとワインをゆっくり味わうのにちょうどよいきっかけです。お酒は適量で。20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。11月11日の食卓が、いまよりちょっと豊かな時間になりますように。

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